タコス店ではトレイをコンベアで回して客に自分で取り分けてもらうことにしましたが、どうも客が取る動作が安定しないことに気づきました。

例えば以下の例では、目の前に満タンのトレイが流れているにもかかわらず、1つも取らなかったり1つしか取らなかったりしています。

なんでこんなことが起きるかというと、コンベア自体の動作と物(この場合はトレイ)がコンベアに乗っているかどうかの判定とのかねあいによるものです。

コンベア類は、その上で物が静止している時の他に、物についてプッシュ動作あるいはプル動作をしている時に、その物がそのコンベアの上に乗っている扱いになります。コンベアから隣のコンベアに物が移動している場合は、送り元のコンベアがプッシュしているか、送り先のコンベアがプルしているかのどちらかです。

マルチコンベア(黄色いコンベア)が3つ並んでいて、物が左から右に流れていく状態を考えてください。この時、左のマルチコンベアに載せられた物が右のマルチコンベアに到達する間には、以下の4通りのうちのどれかの動作が行われています。どれになるかはその時々の処理順序によって、全く同じ構成であっても一定しません。

  • 左のマルチコンベアがプッシュした後、真ん中のマルチコンベアがプッシュする。
  • 左のマルチコンベアがプッシュした後、右のマルチコンベアがプルする。
  • 真ん中のマルチコンベアがプルした後、引き続き真ん中のマルチコンベアがプッシュする。
  • 真ん中のマルチコンベアがプルした後、右のマルチコンベアがプルする。

そして、このうちの2番目の処理順序になった場合、真ん中のマルチコンベアには一瞬しか物が乗っていない扱いになります。結果として、真ん中のマルチコンベアに接したテーブルに座っている客はその一瞬で1つしか取ることができなかったり、あるいは運が悪いと1つも取れなかったりします。以前のコーヒー店の場合は客は1つ取ればいいしコーヒーが頻繁にコンベアの上で静止するので気が付かなかったのですが、タコスをトレイで回す場合は問題になります。

一方、コンベア(青いコンベア)が3つ並んでいる場合は、コンベアはプッシュ動作しかできないので、上の1番目の処理順序にしかなりません。そうすると、真ん中のコンベアには1秒の間物が乗っている扱いになるため、客が取るのに十分な時間が確保できます。

というわけで、マルチコンベアで組んでいたテーブル前レーンを青コンベアに置き換えることにしました。始点だけはテレポーターからプルする必要があるのでマルチコンベアです。


相変わらず時短サービスが来ないのでオーダーパネルを連打する店主

これで配膳が格段に安定するようになりました。

Trackback

no comment untill now

Add your comment now