MediaWiki という、Wikipedia を動かしている Wiki システムがあります。一方、人気のある Linux ディストリビューションの1つ(2つ)として Debian と Ubuntu があります。これらは3つとも、おおむね2年ごとに LTS リリースが出るのですが、サポートサイクルをよく見ると興味深い関係があります。
MediaWiki は、Debian/Ubuntu パッケージがそれぞれの公式のリポジトリ内にあります。(参考)
ところが、Ubuntu だと Ubuntu LTS のリリースサイクルと MediaWiki LTS のサポートサイクルが合ってないせいで、Ubuntu の次の LTS が出る前に MediaWiki LTS のサポートが切れるという残念なことになっています。例えば Ubuntu 22.04 に入っている MediaWiki 1.35 のサポート期限は 2023-12-21 で、Ubuntu 24.04 が出る前です。Ubuntu 向けに PPA (Personal Package Archive) で新しい MediaWiki のパッケージを作っている人はいる(いた)ことが前掲のページに書かれていますが、22.04 向けのは作られていません。
一方、Debian の場合は以下のようになっているので、Ubuntu のような残念なことは起きません。
Debian 11 Bullseye の通常サポート終了(LTS移行) | 2024-08-15 |
Debian 11 Bullseye のLTSサポート期限 | 2026-08-31 |
Debian 11 に入ってる MediaWiki 1.35 のサポート期限 | 2023-12-21 |
Debian 12 Bookworm のリリース | 2023-06-10 |
また、“backports” リポジトリ(1つ次のリリースから一部のパッケージをバックポートして持ってきたリポジトリ)を導入することで、Debian 自体のアップデートが間に合わなくても MediaWiki をアップデートするパスがあります。例えば、MediaWiki 1.39 は Debian 12 だけでなく、Debian 11 の backports リポジトリにも含まれています。
というわけで手間をできるだけ省きたい場合は Debian 上にデプロイするのがいいんですが、私が管理している環境は基本 Ubuntu なので、そこに Debian が入ってくるとちょっとめんどくさいです。どうしようか…
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