その1 その2 の続き。

今のバージョンの vctest は VCM コーデック(だけ)を対象にしています。

VCM インターフェースでは、エンコード時に「ソースを1フレームだけコーデックに渡すと、圧縮した結果が1フレーム返ってくる」という仕様になっています。デコード時も基本的に同じです。このため、「ある1フレームを処理するのにかかった時間」を定義することができます。

多くの今日的なコーデックインターフェースでは、おおむね「ソースを数フレームコーデックに渡すと、圧縮した結果が数フレーム返ってくる」という仕様になります。しかも、一度に渡したフレーム数と結果として返ってきたフレーム数が同一である必要はありません(映像全体で合計が同じになっていればよい)

このようなインターフェースの場合、「ある1フレームを処理するのにかかった時間」は、外部観測的には必ずしも定義することができません。そのため、CPU 使用率に関しても、同様に全体の平均としてしか与えることができません(「ある区間における平均(概算)」程度なら与えることができるでしょう)。もし各フレームについて処理時間を定義できないのであれば、最初から映像全体についてだけ計測するだけにしておけばいい、という判断もできます。ここではその1その2で書いたのとは異なる理由で、全体に対する時間だけを計測するわけです。

だとすると、vctest を VCM 以外、例えば DMO などに拡張しようとするのであれば、基本的な計測モードでは全体の処理時間だけを計測するようにしてしまう、という仕様変更もあり得ることになります。もちろん、今ある1フレームごとの計測も必要でしょうから、削除してしまうということはありませんが。

Trackback

no comment untill now

Add your comment now