手元のビデオカードは RADEON HD5750 で DP, DL-DVI-I, DL-DVI-D, HDMI なんですが、DVI と HDMI だけで3画面にすることはできない(クロックジェネレータが2セットしかないらしい)らしく、せっかくなので DP の挙動をちょっと調べることにしました。いや実験したのは10日ほど前なんですが。

聞くところによると、DP は「モニタの電源を切ったり別の入力に切り替えたりするとモニタのケーブルを外したのと同じ挙動になる」という話なのですが、モニタによってはそういう挙動にならない(DVI などと同様につながったままに見える)らしいので、実験してみないと分からないところです。

モニタは2つあって、片方 (Dell U3014) が DP, miniDP, DL-DVI-D, HDMI、もう片方 (MITSUBISHI RDT261WH) が DVI-I DVI-D VGA です。なお、モニタのユーティリティーソフトウェアは導入していません。

ケース1

HD5750 DP       (3) ---- DP       U3014
       DL-DVI-I (1) ---- DL-DVI-D
       DL-DVI-D (2) ---- DVI-I    RDT261WH

カッコ内は Windows 上でのモニタ番号です。(1がプライマリモニタ)

この状態で U3014 の入力選択を DVI にしていると、PC から DP 側は繋がっているように見えます。実際にデスクトップも拡張され、カーソルをそこに持っていくことができます(見えませんが)。入力選択を DP にしていると、PC から DP 側が繋がっているように見えます(当たり前だ)。モニタの電源を切ると、伝え聞いた通りケーブルを抜いたのと同じ挙動になりました。

入力選択を miniDP(PC は繋がってない)に切り替えると、なんと DP が切れたように見えます。このモニタにおいては DP 入力と miniDP 入力は、「繋がっている状態を PC 側に見せる」という点では、両立しないようです。DP と miniDP の両方に PC を繋いでおいて入力選択を DVI にしている場合にどうなるかは試してません。

入力選択を HDMI(やっぱり繋がっていない)に切り替えた場合、DP は繋がったままに見えるのですが、入力が無いのでしばらくするとパワーセーブモードに移行します。で、パワーセーブモードから復帰する際に全ての入力をスキャンするのか、一瞬だけ DP が切れてまた繋がったような挙動になります。

これは使いづらい…

ケース2

HD5750 DP       (1) ---- DP       U3014
       DL-DVI-I (3) ---- DL-DVI-D
       DL-DVI-D (2) ---- DVI-I    RDT261WH

今度は DP をプライマリにします。

この配線で DP が切れる条件を満たすと、確かに DP が切れる音(PnP プラグアウト音)が鳴るのですが、セカンダリモニタを眺めている限りではウィンドウ等の再配置が起きていません。おかしいなーと思ってよく調べてみると、

HD5750 DP           -×- DP       U3014
       DL-DVI-I (1) ---- DL-DVI-D
       DL-DVI-D (2) ---- DVI-I    RDT261WH

という状態になっていることが分かりました(サードモニタがプライマリモニタを乗っ取っている)。なんだこれは…

まとめ

伝え聞いていた DP の挙動はその通りだったのですが、いろいろと面白いことになっています。面白いとは言うものの実用上はツマラナイわけで、結局のところ、マルチモニタ環境では DP は使わない方がいいんじゃないの?という結論に落ち着きます。

DP を使ってストレスを感じないためには、次のような環境に限定すべきでしょう。

  • PC もモニタも1台ずつ
  • マルチモニタ環境であるが、各モニタは1つのPCにしかつながっていない。
  • モニタは複数のPCに繋がっているが、DP で繋いでいる PC はシングルモニタ環境である。
  • DP で繋いでいるモニタは小さいサブモニタであり、重要な情報は映さない。そこにあったウィンドウがどこかに飛ばされても気にしない。

あと、退席するときに節電のために電源を切るとケーブルを抜いたのと同じになるため、ロックするとパワーセーブモードになるようにモニタのユーティリティソフトウェアを導入するとか、ブランクスクリーンセーバーが速攻起動するようにしておくとか、そういう工夫が必要になってきます。それでもパワーセーブモードから戻る時に乱れることがあるため、諦めてつけっぱなしにするという選択になるかもしれません。地球には厳しいですが。

しかし、なんで DP はこんな規格になってしまったんでしょうね。VESA の連中は雁首そろえて何やってんだか。HDMI 2.0 なら 4K/60fps もできるし、HDMI なのできっと今まで通り繋がったままに見えるでしょうから(もちろん持っていないので試してない)、さっさとこっちが普及して外部接続端子としての DP は廃れてほしい所です。でも 4K/60fps はできても 5K とか 6K とか 8K とかだとまた足りなくなるんだよなぁ…

# デイジーチェーンが規格に存在しているせいでこんなことになってしまったのではないかという推測はある。

ところで Windows 8 とかだとどうなるんだろう?

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