我々は3年待ったのだ!
AVX-512 は、当初予定ではパフォーマンスデスクトッププロセッサには Skylake の次あるいはそのさらに次にもたらされるはずでした。しかし、10nm プロセス立ち上げの失敗に引きずられる形でどんどん遅延し、ようやく3月30日に Rocket Lake でリリースされました。
事前情報では Rocket Lake のサポートする命令セットがどこまでかなのかは判然としないところがありました。 Rocket Lake は Cypress Cove マイクロアーキテクチャを採用し、これは Willow Cove (= Tiger Lake) の 14nm プロセスへのバックポートと説明されていたので、サポートされる命令としては Willow Cove と同じと考えるのが自然です。また、 Cypress Cove の話が聞こえてきた時期を考えると、実際には Sunny Cove と同じになるという予想もありました。
Intel 公式情報としては「Intel DL Boost」をサポートすることが10月末には分かっていて、これは AVX-512_VNNI のことです。VNNI はサポートするプロセッサとしては Ice Lake 以降と Cascade Lake 以降となります。また、 Intel SDE にはエミュレーション対象の指定として Rocket Lake は存在していないので、既存のプロセッサのいずれかと同じであることは確実です。しかし、確実な情報を組み合わせてもCascade Lake と同じになるのか Ice/Tiger Lake と同じになるのかは判断できませんでした。私が使いたい命令セットは AVX-512_VBMI2 なので Ice/Tiger Lake と同じであってくれないと買えません。
その中で、InstLatX64 氏がこんなツイートをしました。
#Intel Core i7-11700K (#RocketLake-S) A0671 CPUID dump, x64 InstLat dump added (thx, @IanCutress!)
Good: critical byte-granularity cross-lane instructions behave the same way as on SNC/WLC
Bad: tp of FP zmms are half of ymms = single 512bFPU
Commit:https://t.co/jLHZfEFvCR pic.twitter.com/STWAZddr7E— InstLatX64 (@InstLatX64) March 18, 2021
これを見ると AVX-512 に関しては Ice Lake と同じになるということになります。
この情報1つだけでは購入に踏み切れなかったので、発売開始後も情報を探していたのですが、31日深夜に OpenBenchmarking.org というところで Linux 上で i9-11900K の feature flags を表示させた結果が載っているのを見つけて、そこで avx512_vbmi2 が検出されていました。ちょっと心配だったので他の SKU も見てみましたが、 i5-11600K の情報が見つかり、そこでも同様でした(ちなみに他の SKU は見つからないので、おそらくメディア向け評価キットで得られた情報でしょう)。というわけで購入です。
買うとは言っても爆熱なのは分かり切っているのでメインマシンにする気はなく、コーデック開発/検証用になります。想定される性能から鑑みてもブースト時に4GHz超えてくれれば6コアでもいいので、一番下の i5-11400 にしました。マザーはメモリスロットが4つある一番安いものを選びます。メモリは 64GB 載せますが、CPU/マザーとは別のショップに発注してまだ届いてません。
なお、CPU 付属のクーラーでブースト状態を維持する程度に冷却しきれるのかは怪しいところで、ダメだったら何か買うことになります。
no comment untill now